KT爺メタセコイア指南書
Metasequoia初心者講座


■ 目次





■ はじめに

お初でござる。 拙者、KT爺と申す しがないジジイでござる。
職業は武士。 もとい、長年自分の作品(イラスト、漫画、CG等)を通して娯楽を提供する事を生業としておりまする。 キャリアだけは長いが、元来のん気な性格&昨今の技術の進歩について行けず…スキルの方はイマイチ伸びておりませぬ。てへへ。

そこで、ここはひとつ初心に帰って、自分が知らない事、出来ない事を調べて覚え書きを作ろう。…という主旨でブログを始め申した。
このページは、その拙者のブログ「萌えろ!CG道場+」内の コンテンツを再編集して見やすく構成したHTML版 初心者向けCGモデリング講座でござる。

さて、一昔(既に大昔かも)前は、3DCGと言えばハリウッド等の大規模な映像制作スタジオで何千万ものお金を掛けて制作する、 大変コストの高い技術…と云うイメージでござった。  拙者が幼い頃は、ワイヤーフレームで描かれたワイングラスがモニタ上でクルクル回っている映像を見ただけで、 近未来的な「何か」を感じて憧れたものでござる。 それが、高性能で安価なパーソナルコンピュータとソフトウエアの普及で、 あっという間に御家庭のパソコンで出来るようになり早や十数年…。いやはや夢のような時代になり申した。  この流れは、数年前にデジタルビューティと呼ばれるジャンルが登場して、廉価なCGソフトウエアと共に売り出された事もあって、 更に拍車が掛かり申した。 所謂「美少女CGブーム」でござるな。(拙者も少なからず「仕掛け」側に居た人間でござる。(笑)
ホビーユースでも楽しめるようになった昨今では、「CGは難しい」「お金が掛かる」と云うイメージも随分無くなってきたのではござらぬかな。

昔から、粘土をこねたり、模型を作ったり、手芸が得意だったり、料理が好きだったり…兎に角、手作りする事が大好きで、 わくわくしてしまう人であれば素質は十分でござる。 きっとCGも楽しく覚えられるハズでござるよ。

そう、やっぱりCGは楽しいのでござる。
それに思った程は難しくも無いのでござる。

しかしながら、いきなりリアルな人間を作ろうとしても、なかなか上手くいくものではござらぬ。  ブームに乗って始めて、「可愛い女の子」が「見るも無残なクリーチャー」になってしまい、 ガッカリされた方も居られるのではござらぬかな。
それはCGが難しいのではなく、「人間」を描く事自体が大変に高度な技術と知識を必要とするからなのでござる。

初めて3Dに挑戦される方も、再チャレンジの方も、先ずは厳密な知識を必要としない簡単な作品を作るところから 始めるのが宜しかろうと存ずる。
紙に鉛筆で絵を描くように…ソフトウエアが画材や工具として機能するように、少しずつステップアップしてゆくでござるよ。


■ 3DCG制作の流れ

ここでは、3DCGに触れるのは初めてと云う方のために、基礎知識と実制作の流れを解説しておくでござる。

3D(3DIMENSION)とは三次元、即ち「立体」の事でござる。普段我々がパソコン上で見ている画像などは 二次元(平面)のデータでござる。 二次元のデータは、横と縦の情報で表す事が出来申す。 三次元のデータはこれに加えて奥行きの情報が必要なのでござるが、これをコンピュータグラフィックでは、 横軸をX、縦軸をY、奥行き軸をZ、とした擬似的な空間の中に定義して立体形状を表す訳でござる。
二次元データと三次元データ

言葉にすると難しく感じるでござるが、これは実際にソフトを弄っていればすぐに理解できるでござるよ。

この擬似的な空間の中に立体形状を作成する工程を「モデリング」と呼び申す。
実際に作品を完成させるには、このモデリングした形状に色を塗ったり模様を付けたり、金属やプラスチックの質感を設定したりする 「材質(マテリアル)設定」、3D空間上に形状を配置してカメラやライトの設定をする「シーン設定」、 3次元のデータを2次元の画像として出力する「レンダリング」といった工程を経て、最終的な画像を作り出す訳でござる。

当講座で使用する「Metasequoia(メタセコイア)」は、「モデラー」と呼ばれる 上記工程中の「モデリング」をするためのソフトでござる。 故に、当講座でも主にこの「モデリング」についての解説をして行くことになり申す。

作ったモデルを写真のような綺麗な画像にしたい場合は、別途「レンダラー」と呼ばれる高品質なレンダリングができる ソフトウエアが必要になるのでござるが、こちらも安価な市販ソフトが在るでござる。 インターネット上で入手できる無料のレンダラーもいろいろ在るのではござるが、その殆どはまだ実験、研究用のものであったり、 インターフェイスが付いてなかったり、操作についての情報も少なく初心者には些か敷居が高こうござる故、素直に市販ソフトを 買うのをお薦めするでござる。 一万円前後の安価な市販ソフトでは「Shade basic」などが有名でござる (Shadeはモデリング、材質設定、レンダリング、アニメーションまでこなせる統合型の3Dソフト)。 ユーザが多いのでインターネット上でいくらでも情報入手できるのも魅力でござるな。

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